バルジ大作戦実機画像

 「伝説のレトロゲームを求めて」第24回目です。
 ロケーションは別府温泉の鶴見園観光ホテルさんです。
 鶴見園自体が長い歴史のある施設で、戦後はホテルと大規模なレジャーランド(遊園地)を併設した一大娯楽ゾーンを形成していました。しかしレジャーランドの方は70年代に早々と閉園し、ホテルも2001年頃までは営業していたものの廃業ののちに解体され、今やその姿は残っていません。
 それでは往時のゲームコーナーの様子です。

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(鶴見園観光ホテル/大分県 クリックで拡大します)

 これは見事。バルジ大作戦の筐体の形状やカラーリングをよく捉えています。3つ並んだ大砲も迫力がありますね。
 ナムコ(本作発売の1968年当時は中村製作所)は後にビデオゲームで多数の戦車ゲームを発表しますが、その始祖ともいえるのがこの作品です。正直ゲーム性については迫りくる戦車を砲撃する、というぐらいしかわかりませんが、ここまでデカいとさすがに注目されたものと思います。ここはぜひプレイされた経験のある方のお話を伺ってみたいものです。
 ところでタイトルの横に見える戦車の絵とNAKAMURAの文字も実におしゃれですね。戦車の中村。中村の戦車。ちょっとチェンジエアブレード的なものを想像してしまいます;-o-)
 なお、ナムコの複数プレイ型の大型筐体ゲームはペリスコープとこのバルジ大作戦のほか、空戦もののゼロファイター、さらに宇宙大要塞という作品が発表されていたとのことです。レアすぎて全然情報が見当たらないので不安になりますが、探求の旅はまだ続くのであります;-o-)


追記:
 以前のコメントでバルジ大作戦の画像は持ってないと書いてましたが、実はあったという次第です。きちんと見直してみるものですね。

ルナレスキューほか実機画像

 紙上で歩む日本レトロゲーム紀行の第23回目です。
 今回のロケーションは会津の奥座敷、芦ノ牧温泉の大川荘さん(営業中)です。
 驚くような作品があるわけではないんですが、ゲームコーナーの雰囲気が独特で、これも昔から気に入っています。
 では早速どうぞ。

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(大川荘/福島県 クリックで拡大します)


 ん~いいですねえ。和風のゲームコーナーです。
 コーナーの名前も「わらべ唄」という、少し変わったものになっています。この時代のホテルのゲームコーナーの名前といえば「モナコ」とか「ゲームインカジノ」とかが定番でしたけれども(命名しているところが結構あったのです)、ここはあえて和風です。街場のゲームセンターにはちょっとなかったセンスですね。
 まあよく見ると椅子の辺りとかが若干それっぽくなっているぐらいで、そこまで凝っているわけではないんですが雰囲気はよく出ています。

 写っているゲームの方はと言いますと、左端のアップライトがスピードレースCL-5(タイトー,1979)、その隣がルナレスキュー(タイトー,1980)です。ルナレスキューは私の身の回りではそんなに出回りが良くなったような覚えがありますし、ギャラクシーウォーズなどと比べてゲーム性が中途半端な印象はあるものの、一粒で二度おいしい感じがして結構気に入っていました。
 その右の赤いのが、まさにそのギャラクシーウォーズ(ユニバーサル・タイトー,1979)です。画像がちょっとわかりにくいですが、これは別のリーフレットでも出現しますので改めて紹介したい思います……というわけでまだ続きます。

EVRレース実機画像

 少し間が空きましたが、謎企画の第22回目でございます。
 皆様は任天堂のアーケードゲームというと何を思い出すでしょうか。コンピューターオセロゲームでしょうか、それともドンキーコングでしょうか、あるいはVS.システムでリリースされた作品のいずれかでしょうか。
 私としてはシェリフ(1979)やスペースランチャー(1979)のほか、レーダースコープ(1980)が印象に残っています。レーダースコープは敵の攻撃がやや単調なのとキャラクターの弱さが残念なところですが、スピード感などはいい線を行っていて結構遊んだ覚えがあります。後にゼビウスのテラジを見たときに「これは絶対にアレや」と思い出したのは私だけではないはずです;-o-)
 というのはともかく、実際に最もヒットしたものの1つとしてEVRレースという1975年のメダルゲームが挙げられます。これは動画(もちろん媒体はテープ)によりレース結果がランダムに再現され、その結果に基づいてメダルが払い戻されるという仕組みになっています。とにかく故障が多くて苦労されたようですけども、先進的なシステムによってセガのハーネスレースを凌ぐほどの人気を博したヒット作なのであります。
 そんなEVRレースの画像がこちら。ロケーションは勝浦のホテル三日月さん(営業中)です。


(ホテル三日月/千葉県 クリックで拡大します)

 んーいいですねえ。うっすらとレース画面が写りこんでいるあたりは結構ポイント高いんじゃないかと思います。なお、これは10人までプレイできる基本バージョンですが、他にも5人用、1人用といったコンパクトな製品が販売されています。
 また、任天堂はこのシステムを応用したEVRベースボールという作品も発売しています。射幸性のあるゲームと野球との組み合わせに難があったのか、EVRレースほどはヒットしなかったようですが;-o-)
 そしてご存知の通り、任天堂は80年代前半を境としてアーケードゲームには早々と見切りをつけ、家庭用ゲーム機へと注力していきます。戦略的には正解だったと思われますが、アーケードで最後にもう一花咲かせる作品があってほしかったなあという気がしてなりません。
 最後に。奥にナムコのF1らしきものが見えます。他にもいくつかのマシンが確認できますが、ビシッと写っているものがないのがちょっと残念です。別のリーフレットにて出現するものもありそうですので、そちらで触れていきたいと思います。