FC版Wizardry1のバグ修正版を発売してほしい

 まずは昔話から。
 小さいころにクリスマスプレゼントとしてファミコン版のウィザードリィ1を親に買ってもらいました。
 当時はRPG≒ドラクエという時代でそちらもすいぶん好きだったのですが(Wiz1とFF1とは4日違いだったようです)、ウィザードリィの圧倒的に緻密な設定と戦闘システム、純西洋風の敵キャラのかっこよさに驚いたものです。
 あと音楽も素晴らしかったです。格調高いのはもちろんですがキャンプや宿のBGMは冒険者の心の機微に迫るものがあったと思います。
 しかしゲームバランスは超シビアでした。最初のうちは1回の戦闘ごとに城に逃げ帰らざるを得ませんし、冒険には常に欠乏と途絶の恐怖がつきまといます。高レベルになっても下層階の魔法使いやドラゴンの群れから逃げそこなうとほぼ全滅確定。そして全滅したパーティの死体はその場に置き去りとなるため死体を回収しなければならず、これが困難で2次災害、3次災害が繰り返されます。さらに最も恐ろしいロスト(全滅時、あるいは蘇生試行時に一定確率で自キャラが消滅し二度と蘇生しない)というペナルティがありました。イメージとしてはエベレスト登頂のようなもので、遊びとは思えない厳しい世界でした。
 子供の目からはどう見ても無理ゲーでしたので、リセット前提で際限のないレベル上げとアイテム集めに勤しむ、というありがちなプレイにのめりこむこととなります。
 その後はしばらく忘れていましたが、時が経つにつれて、充分な準備を重ねれば必ずしもリセット縛りプレイも不可能ではないことがわかってきます。また、スーファミの後期からプレステの時代になると、はじめから成功がお膳立てされている一本道RPGにはもはや飽きてしまっていたのですが、ウィザードリィでは「名もない一冒険者」になれるのが実に心地よく思えたのです。「この1枚のドアを開けた先には取り返しのつかない破滅が待っているのではないか」という緊張感も、仕事とか人生の縮図のように感じられるようになりました。
 そしてロストあっての命の尊さ。ファミコンの名シーンは何かと言われたら真っ先に「ささやき - えいしょう - いのり - ねんじろ!」を挙げたいと思います。

 というわけで、いまだにROMカセットをニューファミコンとともに持っており、いまや親から買ってもらったもので一番ありがたかったのはこれなんじゃないかと割と真剣に思っています。


 さて、前置きが長くなりましたが、このゲームにはバグが結構あります。
 「ささえのたて」が出ない、などはそういうものだと思っていればいいのですが、重大なのは武器や防具の特殊効果がきちんと出ないこと、そしてなんといってもAC(アーマークラス。防御力)のパラメータが全く無意味なことです。自キャラが攻撃されたときのダメージ計算において、自キャラのACではなく攻撃してきた敵キャラのACが適用されるという悲しいバグです。シーフ(全般にACが弱い設定)の攻撃がやたら強かったりするのはこれが原因です。
 それでも遊べる内容にはなっているのは立派ですが、やはりACバグは痛すぎる。改めてじっくりプレイしたくてもこのバグのことが頭に残っていると心の底からは楽しめません。もはやROMカセットでとは申しませんので、なんとか重大なバグを取り去ったバージョンを販売してもらいたいと思います。
 このご時世ですのでエミュとパッチでやってればいいでしょ、ということになるのかもしれませんが、やはり正々堂々と遊びたいのです。1,2万なら喜んで出しますのでぜひ_ _)