Googleの検索アルゴリズム改善を歓迎したい

 Googleが主にキュレーションメディア対策を目的として検索アルゴリズムを見直したことが発表されました。

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グーグルが検索アルゴリズム改善を発表 「キュレーション」系メディアがランクダウン (BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース

 ずいぶん語り尽くされてきた内容になりますがご容赦を。
 しばらく前ですが私もキュレーションメディアといわれるサイトに(旅行記の一部として掲載した)食べ物の写真を無断で使用されたことがありました。まあお店から見れば私の行為も無断掲載でしたし;-o-)さほどに気にすることもありませんでしたが、やはり釈然としないものが残りました。
 まず1つは、こうした無断使用が組織的、継続的に行われているという点です。私も転載されたときは一瞬「ネット上の写真転載は出典表示さえすればでいいのか~」ぐらいに思ったですが、やっぱりそんなわけないでしょう。個人がうっかりやったのならともかく企業的な規模で実施して収益化しているというのは問題ありとしか思えません。
 そして、それよりずっと気になったのは内容の貧しさです。確かに旅行記などは本人の自己満足の世界ですし、そこに含まれた情報を抜き出して体系的にまとめれば即時的な情報源としては便利になります。しかし実際に自分が見てもいない、経験してもいない情報をかき集めているのでは自ずと限界が露呈します。同じような記事を調べてみると、タイトルはやたらと煽り気味なのに内容は表面的だったり伝聞調だったりで記憶にも印象にも全く残らない記事ばかり。それどころか「ご紹介」などと言いつつ写真はもちろん文章も1文字残らずすべて転載、という記事もありさすがに呆れてしまいました。
 しかし、適当に画像を含んだ羅列型のフォーマットはSEOにも強いらしく、いつのまにか個人ブログでも(一応自分で作文しているだけマシですが)似たような調子のライフハック系記事が蔓延してしまいました。

 かつてのネットの面白さは、大手のメディアには出ないような特異なものであっても、さまざまな個人の経験や見識に接することができることだったと思います。従軍記など自分の暮らしに直接的には縁がなさそうなものであっても、読み手の心に残るようなものが多くありました。いまもそのような情報は発信されているのかもしれませんが、即時性の高いニュース記事や大手企業のPR記事、体裁の整ったまとめサイト、ライフハック系記事の拡大が目立つ中で、あまり目につかなくなってしまったのが残念です。

 もちろん、検索エンジンの役割として主観的・情緒的なものよりも新しさや情報量を重視せざるを得ないのは当然といえますし、このたびのアルゴリズム改善もそこまで大きく方向転換するようなものではないのでしょう。しかし、見た目のもっともらしさばかりでどんどん中身がなくなっていく(ようにしか見えない)ネットの世界が少しでも変わっていくきっかけになってほしいと思います。