藤井四段が劇的な逆転勝利でついにデビュー20連勝

 3月に10連勝の記事(こちら)を書いたときはまだ半ば将棋界だけの話題だったように思いますが、あれから2か月で藤井四段の活躍は大きな社会現象になっています。中学生の将棋対局がニュースになり昼飯がニュースになるなんて想像もつきませんでした;-o-)

 そして昨日の棋王戦予選6組決勝ではこれまた好調の澤田六段と対局、千日手指し直し局の激戦を制して連勝はついに20の大台に達しました。
 熱戦の様子についてはYoutubeのアユム氏の動画が大変詳しいので心得のある方はご覧いただきたいと思います。

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 終盤まで澤田六段が有利に進め、106手目△7七金のあたりではどう見ても藤井四段の負けです。ここでは藤井フィーバーもついに終わってまた出直しか、という雰囲気になっていましたが、そこから藤井四段の最後の反撃を前に、残り時間のなくなった澤田六段が受け損なってしまうのであります。
 これを単なる幸運と片づけるべきではありません。苦しくなってからの粘り強さ、カド番に追い込まれてからの勝負強さこそ、大棋士となるに最も重要な資質です。隙のない強さを見せつける以上に、こういう勝利がライバルに強い印象を与えるのです。何もかもがあいつに味方しているとしか思えない、あいつには勝てない…となっていく、これこそが勝負の世界におけるスターダムなのであります。

 というわけで藤井四段は竜王戦に続き、この棋王戦でも本戦トーナメント入りを果たしました。このままタイトルを次々と奪取…とまではさすがに思えませんがこのまま成長したら3年後には恐ろしいことになっていそうです。