子どものころですと、暑いのが夏、寒いのが冬であり、とにかく季節とは今がどうなのかである、という感覚で生きているのが当たり前です。
しかし大人になりますと、季節を先取りするという感覚が生まれます。衣料店では必然的に次のシーズンに向けた販売を行いますし、気の利いた料理店では新しい季節の旬を生かしたメニューを工夫する、というのが当たり前です。
余談ですが私が気に入っているフレーズに次のようなものがあります。
暖炉の火のそばにすわり、春を待つことにまさる楽しい期待があるだろうか?
(「フォンターナ・ヴェッキア」(カポーティ)より)
このように、季節の先に想像を巡らせて楽しむというのが大人の季節感であり、文化であります。
また、仕事においても常に先を見据えた準備が求められます。先手を打って仕事に取り組むうちに、今の季節がよくわからなくなってしまった、という状態に陥った経験のある人は多いものと思います。料理のように趣味趣向の世界であればいいのですが、リアルな感覚としての季節感が失われていくというのは好ましくない部分が大きいように思います。
これをさらにこじらせてしまいますと今回の標題のようになります。夏至になるともうピークが過ぎたような感じになり、木枯らし、寒波、冬将軍といったものがチラチラと見えてしまい、寒々しい気持ちになってしまうのであります。先日の記事「どうしても外付けHDDを後ろから取ってしまう」と同じくちょっとどうにかしているのかもしれませんが、自分がそうなのだから世の中には5万人くらいはいるはず、という推論ものもとで堂々とカミングアウトさせていただきます。今年の夏至は6月21日だそうですので、あと10日ほどで「もう冬や…」という感覚に陥る人間が少なからず(たぶん)いるのであります。