日商簿記2級を振り返る

 先日実施されました第167回日商簿記検定試験の2級に合格したので振り返りたいと思います。

試験結果

 第1問から順に12、18、10、28、12点で合計80点でした。
 まさにセオリー通りで、工業簿記で稼いで逃げ切るという結果となりました。

受験の経緯

 昨年のシステム監査技術者試験に合格したので今度は何か別の分野を、と思い受験を検討しました。普通に財務諸表が読めれば仕事で困ることもないので語学資格などでも良かったのですが、自分でも数字というか金銭の計算に弱いと昔から感じていたので、そこを克服する意味で受験を決定しました。
 なお学習開始前のレベルについては、原則的な借方貸方の区別(ホームポジション)を理解し、仕入などごく基本的な仕訳ができるぐらいでした。

使用した参考書等

  1. みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級商業簿記
  2. みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商2級商業簿記
  3. みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級工業簿記
  4. みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商2級工業簿記

 シリーズ4冊を揃えました。時間も限られていたので他の本には手を出さずこれらを繰り返すことだけ考えました。
 結果的に合格できたわけですし、さほど不満もないのですが、あえて言えば教科書の解説パートがやや冗長というかもう少し簡潔にできるのではないかという印象はあります。もちろん理解は重要ですが、この解説を隅々まで読み込むよりササッと流して問題を解きまくり、優先して余裕があったら「参考」の節をある程度学習しておいた方が有利かと思います。
 なお、電卓はシャープの千円ちょいの安いやつにしました。機能の違いもロクにわからないので、安くて見やすければいいとだけ考えました。

学習戦略

 学習は2月から開始しました。十分余裕がありそうに見えますが3月が忙しかったことと、単純な見積りの誤りにより必要な学習ペースの半分ほどしか時間を確保していなかった(5月初めにやっと気が付いた)ことにより、5月のプライベートの大半を簿記学習に注ぎ込まなければならないという事態に陥りました。
 結果的に総学習時間は200時間弱だったと思います。十分に仕上がっているという状態には持っていけなかったので、もうちょっと時間が欲しかったです。また、全くの知識0からだとしたらさらに数十時間必要だったと思います。
 こうした状況を踏まえれば、3級から始めてこの分野とこの試験に慣れておく、というのもアリだったかもしれません。

とにかく問題を解く

 理屈を軽視してよいとは思いませんが、とにかく問題を見てパッと手が動くようにならないとお話にならないのは明らかです。多少腑に落ちない点があっても「そう決まっているんだからからそう、理解は後から追いつく」と割り切ってまずは範囲を一周して求められる学習総量を見積り、なるべく早く反復練習段階に移ることが重要です。
 その意味では情報処理技術者試験の午前問題に似ているかもしれません。ただし細かい論点が非常に多いですし、なんといっても暗記だけでは対応できず計算力が求められるため難度は高いです。この年齢になると手計算をやり切る根気が失われる(道筋が理解できてもそこから先が投げやりになる)上に、目が悪くて数字を1桁間違えるといったしょうもないミスを連発してしまうので、ひたすら耐えて練習する必要がありました。

ポイントをメモする

 情報処理試験のときと異なり簿記に関しては初心者なので、整理できたポイントについては自分なりの言葉にまとめてメモするようにしました。
 結局は膨大になり要点といえないものになってしまうのですが、雰囲気でわかったつもりになって試験ではあやふやなところを突かれまくってダメ、という事態は避けることができたと思います。

第2、3問は満点にこだわらない

 第2、3問は4、5問(工業簿記)に比べると問題のボリュームが大きく、細かく難解な論点を仕込んでくる場合が多いので満点を狙うのは難しく、試験時間内における効率は悪いです。しかし、そこそこ取れればいいと割り切って基本的な仕訳を確実にできるようにしておき5~6割取るのは難しくないです。連結も型通りの問題が大半ですし、BS/PLも売掛金とか固定資産関係の基本的なひっかけ(引当金や減価償却の計算に修正が必要になる)を見抜けるようになれば致命的な失点は防ぐことができます。

電卓は練習しなかった

 これはただの結果です。もちろん計画的に練習したかったのですが時間がとれませんでした。
 結局電卓は数日前に開封して、参考書付属の模擬試験を1周するのに使っただけでした。本番でも人差し指1本でポチポチやっててスピードは他の受験者に余裕で負けていました。仕訳を考える時間が大半で、電卓をたたくのは最後の確認ぐらいなので遅くても致命的な問題にはならないだろうと思います。

試験当日

 お恥ずかしい話ですが体調管理が悪くて試験前日からお腹を壊してしまい、直前で受験を断念するか考えるほどでした。しかしここで退いてはこの1か月が無駄になると思い、気合いで会場に足を踏み入れました。
 会場にいる受験者の年齢層は応用情報のときよりさらに低く、高校生とか専門学校生と思われる若い女性が多かったです。もちろん中年男性は私1人でした。「あのおじさん落ちててウケるwww」とか言われたくないので結果的に受かってよかったですし、正直あの雰囲気では二度とやりたくないです;-o-)
 そんな状況のため第1問の文章が全く頭に入ってこず早速ピンチに陥りました。しかしそのうちに「とにかく今日は答案を埋められればいいや」と割り切れるようになり、気分が持ち直しました。
 具体的な問題内容への言及は控えますが、その次に手を付けた第4、5問の難度は普通で(問4の内容が異例だったらしいですが全く気が付きませんでした)、特に第5問は数日前に「どうも理解が怪しい」ことに気付いてやり直した分野だったのが良かったです。そしてなんといっても第2問が超お徳用問題だったのがラッキーで、おかげで最後の第3問に取り掛かる時点で30分ほど残すことができました。ただ、どうせ4、5問で失敗していたら負けなので第3問については完答を狙わず30分かけて前半部分の内容を繰り返し、確実に半分(10点)取りにいくという作戦をとりました。
 最後がいささか消極的すぎたので達成感は薄かったですが、作戦として間違いではなかったといったところです。

おわりに

 自分が学生のころ(90年代)は受験者の半分くらいが受かる試験だったように思いますが、近年は試験範囲が拡大して宅建並みの合格率になってしまったようです(CBTの方はやや簡単らしいですが)。よって、いまの学生さんに勧めるならば、受験英語でもそれなりに太刀打ちできるTOEICとか基本的に簡単なIパスの方がいいんじゃないかという気がします。もちろん本人の希望する分野とか適性を優先すべきですけども。そして私自身については問題運と当日の戦略によりなんとか合格はできましたが、結果的に改めて適性のなさを実感した次第です;-o-)
 なお、CBTの開始に伴い問題内容に関する情報発信が制限されているようで、本記事でも問題内容に関する具体的な記述は避けることとしました。情報が行き渡って対策されまくるのも良くないのかもしれませんが、逆に試験の実態に触れるのが難しく、それが間口を狭くしているようにも思われました。

デビスカップ/アストロレース実機画像

 第47回目のレトロゲームコーナーです。
 ご存じの通り、ホテルチラシには観光地のものだけでなく街場のホテルのものも数多くあります。オークラなどの名門シティホテルをはじめとしてかっこいいものも多いのですが、歓楽色が薄く、どうしても個性というか面白味に欠けるので私自身はあまり多く収集していません。
 しかし、そんな中で今回紹介するのが富山駅南口にありましたホテルまつやさん(廃業)です。恐らくは歴史ある旅館に由来する、ビジネスホテル寄りのホテルだったと思われますが、どういうわけかゲームコーナーの写真がありましたのでご覧ください。


(ホテルまつや/富山県 クリックで拡大します)

 左側に見えるのがタイトーのデビスカップ(1973)です。ポンとほとんど変わりませんがテニスのダブルスを模していて左右にパドルが2つずつあるので、狭そうなのを我慢すれば4人プレイも可能という内容です。
 その右にある白っぽいマシンが、同じくタイトーのベースボールです。野球盤をパチンコにしてみました、といった感じの内容です。
 お兄ちゃんの奥に隠れている赤いマシンは昭和遊園機械のホップステップジャンプのようです。新幹線ゲームのようなものと言えばわかりやすいかと思います。
 そして右端にあるのがタイトーのアストロレース(1973)です。アタリのスペースレースのクローンで、上下にのみ動けるロケットを操作して左右に行きかうドット(星)にぶつからないよう画面上部に到達させ、点数(成功回数)を競うという2人用ゲームです。2人用ではあるものの攻めあうでもなく協力するでもないというのがちょっと物足りない感じで、ポンなどと比べてヒットしなかったようです。
 中央の2つのマシンが76年の作品らしいので実は2つのビデオゲームの方が古いのですが、この時代であればまだ現役で通用していたと思われます。場所は意外ですが、ビデオゲーム黎明期の様子がうかがえる貴重な画像でした。

ペリスコープ(タイトー)ほか実機画像

 ご無沙汰しておりました。久々にレトロゲーム画像とまいりましょう。シリーズ第46回目となります。
 ロケーションは芦原温泉の清風荘さんです。当時(70年代初めと思われます)は4階建てぐらいの中規模なホテルだったようですが、現在はさらに大きく近代的な建物となって営業中です。
 画像はこちら。


(清風荘/福井県 クリックで拡大します)

 左の奥にちょっと見えるのが昔よくあったショート動画再生マシンです。タイトルはムービーなんとか、おそらく「ムービー映画館」と書かれているようです。内容は成人向けと思われますがどうでしょうか。
 その隣がタイトー版ペリスコープです。60年代の作品なので現在の視点では激レアマシンですが、さすがタイトーだけあって当時の出回りは悪くなかったようです。今後もいくつかのチラシでご覧いただく機会があるかと思います。
 中央やや右のマシンが同じくタイトーのバスケットボールのようです。ナムコ版ペリスコープの回にもありましたがバージョン違いらしく脚の形状がちょっと異なっています。
 そして右側の白いマシンが今回の問題作です。タイトルは何かアルファベットのように見えますがちょっと読めません。形状的にはホイホイテストに似ていて、雰囲気はミニコンピューター(中村製作所)っぽくもあります。興味深いですがとにかくタイトルの見づらさが残念です。隣のクレミーを見習ってほしいところです。

追記1:
 コメントをいただきましたとおり、手前の女性がプレイしているピンボールはFun Land(Gottlieb,1968)とのことです。プレイフィールドで識別するというのが私には到底できそうにありません;-A-)

追記2:
 コメントをいただきましたとおり、白いマシンはカトウのアニマルタッチで間違いなさそうです。ただ、同一のマシンとは思われますが同社の製品リストに「動物合せ」というものもみられるので「合せ(合わせ)」つまり「MATCH」の可能性も0ではなさそうです。


 せっかく久々の更新ですのでもう一か所紹介します。
 ロケーションは温根湯温泉の大江本家さん(営業中)です。なお観光王国の北海道ですが、本シリーズに登場するのは初となります。もちろん北海道のチラシもある程度の数を所有しているものの、伊豆とか北陸の温泉地に比べて表現がやや地味で、取り上げたくなる画像が少ない印象があります。
 というわけで画像はこちら。


(大江本家/北海道 クリックで拡大します)

 一点ものの画像です。キングボール(日本自動販売機)です。
 Caitlyn氏のページに内容も含めて記載されています。要はボールを打ち出してポケットに入れ、1列揃えば景品ゲットというオーソドックスなプライズもののようです。
 当時のカタログや業界紙のモノクロ写真だとべったりと真っ黒な色合いになってしまいますが、これならタイトルも見えますし筐体の模様もよくわかります。やはりカラー写真の威力は絶大なのであります。
 ちなみにここにもクレミーらしきものが見えます。案外大ヒット作だったかもしれません。