(メダル)ニューペニーフォール実機画像

 シリーズ13回目。
 シグマ/クロンプトンのニューペニーフォールです。プッシャーと呼ばれるジャンルの代表的な作品です。
 念のため内容の説明ですが、多数のメダルが敷かれている平面上で、幅のある棒状の物体(プッシャー)が左右に往復しています。プレイヤーはメダルとプッシャーの隙間を狙ってメダルを落とします。するとプッシャーとプレイヤーが落としたメダルにより既存のメダルが押し出されます。そしてメダルがその先にある穴に落ちれば獲得できるという仕組みです。メダルがちょっとずつ押し出されて穴にはみだし、しかし落ちそうで落ちないという絶妙なスリルが楽しめる作品です。
 

 大ヒット作だけあってあちこちのリーフレットに顔を出しますので、今回は3か所まとめてご紹介します。
 まずは佐渡グランドホテルさん(営業中)。四角いウエハースのような独特な形状が印象的なホテルです。

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(佐渡グランドホテル/新潟県 クリックで拡大します)

 右奥のマシンが気になる写真ですが真っ白すぎてわかりません;-o-)
 なおペニーフォールについてですが同名の作品でビルボードの部分が虹のような絵柄になっているのもあり、そちらはⅡと呼ばれているようです。現役で稼働しているものは大半がそちらかと思います。
 
追記1:
 コメントをいただきましたように(追記2,3も同様)、ニューペニーフォールの手前にもう1台のマシンが置かれています。フジエンタープライズ製の競馬系マシン(ウィンターブックの類似機種)とみられるようです。


 続いて奥熊野の川湯ホテル浦島さんです(現在は山水館 川湯みどりやとして営業中)。
 文字通り川のほとりに建つホテルでして、現在はだいぶ大きな建物になってますが、当時のリーフレットと変わらずしっとりとした雰囲気が残っていてなかなか素敵なお宿です。

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(川湯ホテル浦島/和歌山県 クリックで拡大します)

 家族で単純に楽しめるゲーム性をよく表した一枚ではないでしょうか。
 メーカーも喜びそうな、いい感じの写真にしてくれるところがこの手のリーフレットの面白いところかと思います。
 なお窓際の一番奥に、緑と青の模様がついたマシンがちょっと見えますが、これはモンスターガン(セガ)のようです。

追記2:
 後ろに並ぶ5台のスロットは初期のパチスロ機であるニューオリンピア(メダルゲーム転用)で間違いないようです。
 また窓際のピンボールのうち奥のもの(プレイヤーがついている台)はバリーのトレイルドライブ、手前のもの(黄色っぽいドット柄のような部分だけが見える台)はウイリアムズのスーパースターという作品とのことです。これはマニアですねえ;-o-)


 最後は鳥羽のホテル松涛さんです。
 ミキモト真珠島の近くにあり伊勢湾を望む好立地でしたが、現在は廃業されているようです。

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(ホテル松涛/三重県 クリックで拡大します)

 これまたエエ感じですが、実は気になるのは右のマシンです。
 筐体の形状や色合いなんかは神風(フジエンタープライズ,1976)の見下ろし型タイプ(下記リンク参照)と同じで、奥のパネルも絵柄までほぼ同じです。しかし、パネルのタイトルが「AIR F……」と読めることと左上のフジマークがないこと、そして操作部の左端にあるのが3連ボタンではなくてスロットルレバーになっていることが異なっています。
 バージョン違い程度の類似品と考えて間違いなさそうですが、これ以上の情報が見当たりません。他のリーフレットでも3回ぐらい見かけているので出回りは悪くなさそうなのですけども、残念なことにいずれも写りが小さすぎるのです_ _)

flyers.arcade-museum.com

 ちなみに奥のホッケーについて。片側だけですがネットが装備されているあたりからセガのスピードホッケーの可能性が高そうです。

追記3:
 奥のピンボールのうち右から2台目はセガのテンプテーションという作品とのことです。
追記4:
 右側のマシンは「パール・デンキ」という会社の「エアーファイト」という作品のようです。nazox2016氏の記事内で紹介されているカタログに記載されています。

blog.goo.ne.jp

追記5:
 ピンボールの右端のものはウィナー(セガ,1971)ですね。スキャンし直したところ何とかわかりました。

(メダル)ハーネスレースほか実機画像

 シリーズ12回目です。
 場所は新潟県の瀬波温泉にありましたホテルすずきヶ池さんです。
 高台に位置するかなり大規模なホテルで、日本海の夕日鑑賞スポットの一つでしたが、2003年に廃業されているとのことです。

 往年の画像がこちら。

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(ホテルすずきヶ池/新潟県 クリックで拡大します)

 なんといってもハーネスレース(セガ)です。馬の模型(このゲームの場合は二輪の馬車)が実際にコースを周回してレース結果に基づきメダルが払い戻される、というタイプの始祖と考えられている画期的な競馬ゲームです。つまりロイヤルアスコットもザ・ダービーシリーズもGⅠクラシックも元をたどれば全てここにたどりつくわけであります。
 このマシンの意義と機能の詳細についてはこちらの記事をご覧いただきたいと思います。

blog.goo.ne.jp

 続いて左側のマシンです。左端がちょっと暗いのが残念ですが、順にモンテカルロ(セガ)、エアアタック(セガ)、グランプリ(セガ)、今回唯一のビデオでありますスピードレース(タイトー,1974)、nazox2016様にご教示いただきましたラッキーフラッグ(旗上げゲーム)、あとはTime80っぽいパチンコタイプのマシンが並んでいます。
 このうちグランプリについては、当時よく見られた投影型のレースゲームです。こちらに日本ゲーム博物館さん所有機によるプレイ動画がありますけども、同一機種かどうかはともかく何かこういうゲームをプレイしたな~という思い出のある方は多いと思います。

1969 セガ グランプリ 完璧プレイ - YouTube

 また、モンテカルロは模型の車を左右に動かしてライバルカーを避けるタイプのゲームです。これもタイトーのスピードランナーとほとんど同一ですけども、こうしたメカが表現できる世界というのは相当に限られていましたのでほぼ同一内容のゲームであっても「一つのジャンル」としてくくられるような感覚があって、特にパクリとか言われることはなかったと思います。まあメーカーの方はそんな寛大ではなかったでしょうけども。
 

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 ちなみにですが、同じリーフレットに記載されている館内マップです。
 建て増しを重ねてかなり複雑なつくりになっているのがわかります。上記写真のゲームコーナー(5階)が”第1”だったりするのがすごいですけども、まさに高度成長期の温泉リゾートという感じで興味深いところです。この辺りはゲーム趣味とは別に取り上げてみたいところでありますが、参考まで。

インディ800/F1(エレメカ)実機画像

 レトロゲーム画像の11回目です。
 場所は白樺湖の池の平ホテルさんで、現在も白樺リゾートの一員として営業中です。
 早速ですが画像はこちら。

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(池の平ホテル/長野県 クリックで拡大します)

 まず目につくのはIndy800(Atari,1975)、そして左奥のナムコのF1かと思います。中央奥にもF1がもう1台あるみたいに見えますが、詳しいところはわかりません。
 さて、インディ800は小さく描かれたレースカーで固定画面上のコースを周回するタイプのレースゲームです。40年以上も前の超クラシックなゲームですが画面はカラー表示、そしてなんといっても8人同時プレイ(!)が可能となっており、見た目はチマチマしているものの白熱したプレイが展開されます。
 こちらになかなか貴重なプレイ動画がありますので雰囲気をお楽しみください。

Atari Kee Games Indy 800 arcade video game 1975 - YouTube

 なにせ1975年のゲームですし私は見たこともありませんけども、こんな感じのゲームをプレイしたことがあるという方は多いと思います。アタリ自身も後にスーパースプリント(1986)を出していますし、ホットロッド(セガ 1988)とかエスケープキッズ(コナミ 1991)も同じ系統のゲームです。リアルな3Dグラフィックがなくとも、仲間たちと追いつ追われつ……というゲームの楽しさに変わりはないのでしょう。
 一方のF1は1976年発売のヒット作で、翌年にはマイナーチェンジ版のF1マッハも発売されています。幻灯機式のエレメカなのでかなりレトロなイメージがあるかと思いますが、ビデオゲームでの3D表現が困難だった70年代後半における代表的なロングセラーです。
 こちらも内部機構を含めた興味深い動画がありますのでぜひ。

Atari / Namco F-1 1976 arcade game - YouTube

 ちなみに池の平ホテルさんは別バージョンのリーフレットもありますので後でもう一度登場いただきます。